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観光客が歩き出す町づくりを目指して

 モスクから流れるアザーン(注)が終わると、待っていたようにあちこちの教会から、鐘の音が鳴り始める。ヨルダン中部、古都カラクの朝。  毎日、家から職場へ通うのに、私は乳香の香りがたちこめる教会の中庭を抜ける。ミサでひっそりとした教会とは対照的に、向いの大きなモスクからは、お祈りを終えた男達がどっと出てきてとても賑やかだ。私も彼らの流れに乗って、人と車がひしめく市場(スーク)にでる。もう少し進むと馬に乗ったアラブの英雄サラディンの像が建つ小さな広場があり、ここが町の中心だ。  広場からは、大通りが南北に走り、商品を店の外まで積み重ねた小さな専門店が軒を列ねる。通りを歩き始めてすぐ、肉屋や皮革屋の匂いが鼻孔をつく。早足に逃げるように歩を進める。しかし、全身をすっぽり...

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